ツヤツヤでプチプチ! まるで、「赤い宝石」とも称される『いくら』。同じ魚卵の『すじこ』と混同されがちですが、この2つには どのような違いがあるのでしょうか?
この記事では、『いくら』と『すじこ』の共通点や違いを比較しつつ、作り方や保存の方法、美味しい食べ方などについても紹介します。
「いくら」と「すじこ」の違い
いくら
鮭や鱒(ます)の魚卵で、卵巣膜に覆われた卵を取り出し、一粒ずつバラバラにしたものです。
主に 塩や醤油で味付けされることが多く、旬は 9月から12月にかけてです。
地域によって違いがあります。
すじこ
いくらと同じく、鮭やマスの卵を卵巣膜に入ったままの状態で塩や醤油で味付けしたものです。
旬は 北海道で9月中旬〜、東北地方では 11月中旬頃とされ、1ヶ月間程度もつと言います。
名前の由来
いくら
「いくら」という名称は、 ロシア語で魚卵全般を指す「ikra(イークラー)」に由来しています。
日本の漁師たちがこの言葉を取り入れ、鮭の卵を「いくら」と呼ぶようになりました。
すじこ
「すじこ」は、卵巣に入ったままの状態が筋のように見えることから「筋子」と名付けられました。味付けしたものを「筋子」、味付けしていないものを「生筋子」と呼びます。東北地方では、
塩漬けにしたものを「すじこ」、まだ手を加えていないものを「腹子(はらこ)」と呼びます。
味の特徴
「いくら」の味
いくらは粒が大きく、プチプチとした食感が特徴です。塩味のいくらはシンプルで素材の味を楽しめますが、醤油味のいくらは甘みや旨みが引き立ちます。
いくらそのものには味がなく、調味料で漬け込むことでその旨みが引き出されます。噛むと中からトロッとした甘い味が広がるため、漬け込む調味料が非常に重要です。
「すじこ」の味
すじこは卵が小さく、柔らかい食感が特徴です。醤油で味付けされることが一般的で、味が染みやすく、塩味が強く感じられます。
すじこは 鮭以外にも様々な魚卵で作られ、その風味は異なります。強い塩味の中に熟成されたコクや旨みが感じられるため、ご飯にのせたり、おにぎりの具材にしたりするのが一般的です。
「すじこ」の作り方
- 材料
→新鮮なすじこ
→塩または醤油
→酒(オプション)
手順
- すじこを軽く洗い、血や汚れを取り除く
- 塩水に浸けて数時間置く(塩水の濃度は好みに合わせて調整)
- 塩水から取り出し、水気を拭き取る
- 醤油や酒で さらに味をつける場合は、調味液に浸けて一晩冷蔵庫で寝かせる
「すじこ」から「いくら」を作る方法
- 材料
→すじこ
→塩
→醤油
→酒
手順
- すじこを流水で洗い、膜を取り除き、一粒ずつにほぐす
- 卵を塩水で洗浄し、余分な汚れを取り除く
- 水を切った後、醤油と酒を混ぜた調味液に漬け込み、
数時間から一晩冷蔵庫で寝かせる - 調味液を切り、完成したいくらを保存容器に移す
「すじこ」を購入する際の選び方
国内の主な産地
- 北海道
- 東北地方(青森、岩手、宮城)
選び方
- 新鮮で艶があり、張りのあるもの
- 色が均一で透明感があるもの
- 臭みがなく、魚の良い香りがするもの
「すじこ」と「いくら」の保存方法
「すじこ」の保存方法
- 冷蔵保存:数日以内に食べる場合は、冷蔵庫で保存
- 冷凍保存:長期保存する場合は、冷凍庫で保存し、食べる際は自然解凍
「いくら」の保存方法
- 冷蔵保存:調味液に漬けた状態で冷蔵庫で保存し、1週間程度は保存可能
- 冷凍保存:小分けにして冷凍庫で保存し、解凍後は なるべく早く食べる
美味しい食べ方の例
日本での食べ方
- いくら丼
温かいご飯に いくらを
のせた シンプルな一品。 - いくらの軍艦巻き
海苔で巻いたシャリの上に
いくらをたっぷりの寿司。 - いくらのパスタ
パスタの旨味といくらの塩味が
絶妙にマッチ。
・すじこご飯
温かいご飯にすじこをのせ、
好みで醤油を少量。
・すじこおにぎり
海苔で巻いて風味が増す。
・すじこの味噌汁
すじこを加え、卵が溶けて
味噌の風味が合う。
海外での食べ方
ロシア
- ブリヌイ(パンケーキ)に
いくらをのせる - サワークリームと一緒に
- カナッペにいくらをトッピング
アメリカ
- いくらのベーグル
- クリームチーズと一緒に
クラッカー - 寿司ロールにいくらを
トッピング
フランス
- いくらを前菜として提供
- ブリオッシュといくら
- サーモンのタルタルに
いくらを添える
以上が、いくらとすじこの違いやそれぞれの特徴、作り方、保存方法、美味しい食べ方についての詳しい解説です。
いくらとすじこの魅力を存分に楽しんでいただければ幸いです。