「年賀状じまい」は、これまで続けてきた年賀状のやり取りを終了することです。多くの人が年齢やライフスタイルの変化に伴い、年賀状を送る習慣を見直しています。
本記事では、「年賀状じまい」のポイントや注意点について詳しく解説します。
「年賀状じまい」を選ぶ理由
高齢化と体力の低下
年齢を重ねると、年賀状を作成するのが負担に感じられることが多くなります。実際に、高齢者の間で「年賀状じまい」が増えている理由の多くを占めています。
人間関係の整理
年賀状のやり取りは義務感から続けている場合も多く、関係が希薄な人との交流を見直すために「年賀状じまい」を選ぶ人もいます。
デジタル化とSNSの普及
近年、メールやSNSで新年の挨拶をすることが一般的になり、年賀状の役割が減少しています。これも「年賀状じまい」の一因です。
「年賀状マウント」について
「年賀状マウント」という言葉は、他人の年賀状を見て自分の年賀状と比較し、優越感や劣等感を抱くことを指します。
年賀状で(やや意図的に)自慢することを書いて、受け取る相手に不快感を与えてしまうこと。
中には「うぇ、なんじゃこの圧力は?」と感じる人もいるでしょう。
しかし、「年賀状マウント」と言われるような写真を送る人というのは、ひょっとしたら純粋に「幸せのおすそ分け」をしようとしているのかも知れません。
とは言え、SNSの普及などにより、他人の年賀状が目に入りやすくなり、この心理現象も 「年賀状じまい」を促進する要因の一つと言われます。
「年賀状じまい」方法とタイミング
相手との関係性を考慮したうえで
適切な方法で年賀状じまいを
行うように心がけましょう。
方法
・直接会った際に伝える
・手紙やメールで事前に知らせる
・最後の年賀状に「今年で最後」と記載する
タイミング
・年末前のタイミング
・特別な節目(定年退職や引越し)に合わせて
「年賀状じまい」の注意点
年賀状じまいには、年賀状を一切やめてしまうケースや、ただやり取りしている人との年賀状だけをやめ、親しい人との年賀状は 引き続き続けるというケースもあります。
礼儀を忘れない
「年賀状じまい」をする際には、感謝の気持ちを伝え、相手に失礼のないようにしましょう。
交友関係の維持
「年賀状じまい」をした後も、他の方法で交流を続ける手段を考えることが大切です。
「年賀状じまい」書き方のポイント
手紙やはがき等と同じように、挨拶文から書くことが鉄則です。文頭で年賀状じまいをする旨を書いてしまうと、場合によっては相手から「関係を断ちたいと思っている」と捉えられてしまう恐れがあるため注意しましょう。
挨拶文が書けたら、続けて年賀状じまいをする旨について伝えます。ここでは「年賀状じまいをすること」と「なぜ年賀状じまいをするに至ったか」の理由について述べることが大切です。
たとえ、理由を書きたくない場合であっても丁寧な文面を心がけるほか、相手にきちんと納得してもらえるような年賀状じまいをこころがけましょう。
挨拶文の書き方
感謝の気持ちをまず伝え、その後で年賀状じまいの理由を簡潔に説明します。
理由の伝え方
- 高齢による体力の低下
- デジタル化の進展
- 人間関係の整理
「年賀状じまい」の文例
高齢を理由とする場合
拝啓 寒さ厳しき折、皆様にはご健勝のこととお喜び申し上げます。 さて、私も年齢を重ねる中で、毎年の年賀状作成が体力的に厳しくなってまいりました。つきましては、本年をもちまして年賀状を終えさせて頂きたく、お願い申し上げます。これまでのご厚情に心より感謝申し上げます。
敬具
デジタル化を理由とする場合
拝啓 新春の候、皆様のご健康をお祈り申し上げます。 近年、デジタル化の進展により、オンラインでの交流が主流となってまいりました。そのため、本年を最後に年賀状の送付を終了させていただきたく存じます。今後もSNSなどを通じて、変わらぬご交流をお願い申し上げます。
敬具
人間関係の整理を理由とする場合
拝啓 冬の寒さが厳しくなってまいりましたが、皆様お変わりございませんでしょうか。これまでの年賀状を通じたご交流に深く感謝申し上げます。つきましては、個人的な事情により、本年をもって年賀状の送付を終了させていただくことにいたしました。 引き続き、他の機会でのご交流をお願い申し上げます。
敬具
「年賀状じまい」のメリット
・人間関係の整理
「年賀状じまい」をすることで、大切な人との関係をより深めることができます。年齢が上がるにつれて、親戚や仕事上の関係者、地域の人など関わってきた人の数も多くなるでしょう。今後の関係性を続けていくかどうかを、一度考え直すきっかけとなります。
・作成の手間や費用の削減
毎年の年賀状作成にかかる手間や費用を削減できます。
誰に送るのか・送り先は変わっていないかなどの確認作業から始まり、挨拶文やレイアウトの作成、印刷や投函など工程が多くあります。
・精神的な負担の軽減
年賀状の準備や送付に伴うストレスを軽減し、精神的な負担を減らすことができます。
「年賀状じまい」を後悔する声
一方で、年賀状じまいをして
「後悔した」という声も
一部では あるようです
交流が減った
「年賀状じまいをしたことで、年に一度の交流が途絶えてしまい、
疎遠になった友人・知人が増えました」
後からの寂しさ
「年賀状じまいをしてから、年末年始に届く年賀状の数が減り、少し寂しさを
感じるようになりました」
礼儀に対する不安
「年賀状じまいを伝えた相手からの反応が悪く、失礼に感じられてしまったの
ではないかと心配になりました」
まとめ
「年賀状じまい」は、高齢化やデジタル化の進展により、多くの人が選択するようになっています。
礼儀を重んじつつ、自分自身の負担を減らすための選択肢として、年賀状じまいの方法や注意点を理解することが重要です。
今後もやり取りがしたいと考えている相手に対しては、メールアドレスやSNSのアカウントなど、別の連絡手段について記しておくと親切でしょう。
連絡先を記載することで、付き合いをやめたいわけではないということが伝わり、継続して連絡を取りやすくなります。
本記事を参考に、「年賀状じまい」を検討している方々が、より良い決断を下す助けとなれば幸いです。