金魚すくい「魅力とコツ」、あの道具はどうして「ポイ」と呼ぶのか?

季節・イベント

夏祭りといえば、金魚すくいが定番ですね。子供から大人まで楽しめるこの遊び、一見簡単そうに見えても、実際にやってみると意外と難しいものです。

今回は、金魚すくいに使う道具の「ポイ」の名前の由来や歴史、そして、沢山すくうためのコツをご紹介します。

 

「ポイ」の名前の由来と種類

金魚すくいに使う薄い紙が貼られた道具を「ポイ」と呼びます。この名前の由来は「ポイっと捨てる」という動作から来ています。

実際に、破れた「ポイ」はすぐに捨てられるため、この名前が付けられたのです。
昔はもなかの皮で作られた「ポイ」もありましたが、水に溶けやすいため、現在では紙製の「ポイ」が主流です。

「ポイ」には4号から7号までの強度があり、数字が小さいほど紙が厚く、破れにくいです。
初心者には5号がおすすめで、経験者には6号がちょうど良い挑戦となります。

露店では 一般的に6号が使われていますが、店によっては7号を使っているところもありますので、何号の「ポイ」が使われているかを店員に聞いてみると良いでしょう。

 

金魚すくいの歴史

金魚の起源は約1700年前の中国の長江に遡ります。フナの突然変異で美しい赤色の金魚が誕生し、日本には1502年の室町時代に伝わりました。
当初は貴族のペットとして楽しまれ、江戸時代になると庶民にも広まりましたが、金魚すくいは当時はまだ存在せず、つかみ取りや網ですくう方法が主流でした。

金魚すくいに「ポイ」が使われ始めたのは明治時代後期です。
つかみ取りでは金魚が多くすくわれすぎるため、商売にならなくなり、すくいにくくするための道具として「ポイ」が考案されました。

初期の「ポイ」は針金に和紙を貼ったもので、破れたら和紙を取り替える方式でしたが、昭和30年代にプラスチック製の「ポイ」が登場し、現在のスタイルに落ち着きました。

 

金魚すくいのコツ

金魚すくいは、ただ「ポイ」が破れやすいから難しいのではありません。コツを掴めば誰でも簡単に金魚をすくうことができます。

狙うは水面近くで動きの遅い金魚

深くにいる金魚はそれだけ追いかける距離が増します。
大きい金魚、動きの素早い金魚は避けましょう

ポイは一気に全面を水につける

ポイの紙がやぶれないように、少しずつ水に漬けている人をよく見ますが、これは間違いです。
濡れている面と濡れていない面との境目が破れやすくなります。

金魚を追いかけない

素人は すぐに金魚を追いかけてしまうが、プロは金魚の動きをある程度予測して、自分のすくう範囲に入ってくるのを待つのです。
焦りは禁物!獲物を狙う狼のごとく、息を殺してチャンスを待つのです。

水圧をかけず角度は斜めで

気を付けなければいけないのが、ポイの水に入れたり出したりする角度。
できるだけ紙に負担がかからないように、ポイは斜めに差し入れること

 

 

金魚すくいの現代文化への影響

金魚すくいは 夏祭りだけでなく、現代の文化にも影響を与えています。例えば、アニメやマンガ、映画などのメディアで金魚すくいが登場するシーンは少なくありません。

これらの作品では 金魚すくいがキャラクター同士の交流や、物語の進行のきっかけとして描かれることが多いです。
また、金魚すくいは日本の文化を象徴する要素の一つとして、海外でも認知され親しまれています。

ちなみに、「金魚」は英語で”goldfish”です。
「金」の”gold”と「魚」の”fish”で、単数形も複数形もスペルが同じなので、とても簡単に覚えられますね。

 

金魚すくい イベントや大会

日本各地で行われる夏祭りでは、多くの金魚すくいの露店が並びますが、一部の地域では金魚すくいの大会も開催されています。

奈良県大和郡山市では、毎年「全国金魚すくい選手権大会」が開催され、多くの参加者が集まります。この大会では、技術とスピードが求められ、優勝者には賞品が贈られます。

大会に参加することで、金魚すくいの腕を試すことができるだけでなく、他の参加者との交流も楽しめます。

 

知っておいてほしい 金魚の豆知識

 

金魚すくいに関する 面白い豆知識を
いくつかご紹介します

体色が変化

金魚の色は環境によって変わることがあります。日光を浴びると色が鮮やかになり、
暗い場所に長時間いると色が薄くなることがあります。

水温に敏感

金魚は温度に敏感で、夏場の高温に弱いため、適切な水温管理が必要です。
金魚すくいで捕まえた金魚を持ち帰る際には、快適な環境を整えてあげましょう。

 

夏場に金魚を買う際の注意点

水温管理を徹底する

金魚は高温に弱く、25℃を超えるとストレスになる。適温は20~24度

日陰を確保する

直射日光は水温を急激に上昇させるため、日陰に置くことで温度上昇を防ぐ

エアレーションを強化する

水温が上がると水中の酸素濃度が低下する。エアレーションを行う事で酸素供給を確保

こまめな水換え

高温でバクテリアが増えやすく、水質悪化を防ぐために頻繁に水換えを行う

餌の与えすぎに注意する

夏場は消化器官が弱まりやすく、餌の量を調整し、食べ残しがないようする

水槽の位置を工夫する

風通しの良い場所に置くことで、水温の上昇を抑え、金魚のストレスを軽減

水槽カバーを使用する

水槽の蒸発を防ぎ、水温の急激な変化を避けるためにカバーを使用

濾過装置を清潔に保つ

濾過装置が詰まると水質が悪化するため、定期的なメンテナンスが必要

これらのポイントを押さえて
金魚が快適に 夏を過ごせる
ようにしましょう

 

まとめ

「金魚すくい」は単なる遊びという側面だけでなく、その背後には豊かな歴史と工夫などが詰まっています。
金魚を追いかけ回すなどもってのほか。金魚自身がすくわれたことに気づかない、それが理想です

確かに、金魚が傷つかなければ、同時にポイも傷つきません。すくう人間とすくわれる金魚、ともにハッピーな方法を極めることが、金魚すくいの神髄なのかもしれません。

また、「ポイ」の名前の由来や、金魚がどのように日本に伝わったのかを知ることで、楽しさが一層増すはずです。

「金魚すくい」は、大人も子どもも夢中になれる魅力がいっぱい。そのうえ、生きものを大切にする心まで教えられる、奥の深い遊びでした。

 

 

 

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