「月の土地を購入する」というと、胡散臭く感じるかもしれません。
民間ロケットの打ち上げが相次ぎ 有人飛行など熱気を帯びつつある中、月の土地を買うことのメリットや、その背景、さらには 未来の宇宙ビジネスについて詳しく解説します。
月の土地 販売が始まった歴史
月の土地販売は、1980年にアメリカのデニス・ホープ氏によって始まります。
サンフランシスコの行政機関に所有権を申し立てて、受理されたということです。
そして、権利宣言書を作成し、当時のソ連や国連、アメリカ合衆国などに提出。異議がなかったためルナ・エンバシー(Luna embassy)社を設立し、月の土地の権利書を販売に至りました。
日本では 正規代理店であるLuna embassy Japanの公式サイトで購入することができます。公式サイトには、いくつかのプランが並んでいます。
基本的には権利書(紙媒体)と、どんなオプション(オーナーシップカードやファイルホルダーなど)を付けるかを選択するようになっています。
権利書だけの値段は ビックリ2700円(税込)。
驚くほど安いです。どうしてこんなに安いかは 後々触れていきます。
このユニークなビジネスモデルは、多くの人々の興味を引き、今では数百万人が月の土地を所有しています。
月の土地を買うメリット 5選
印象的なプレゼント
月の土地は、特別なプレゼントとして最適です。
誕生日や記念日などの特別な日に、他にはないユニークな贈り物として驚きと感動を与えることができます。
著名な人物も名を連らね 例えば、ハリウッドスターのトム・クルーズや元大統領のロナルド・レーガンも月の土地を購入したと言われています。
比較的 安価な価格
月の土地は 比較的安価に購入できます。
例えば、1エーカー (約4047 平方メートル、1224坪ほど )あたり数千円から購入可能であり、手頃な価格で夢の所有物を手に入れることができます。
これは、多くの人々にとって手の届く贅沢です。
話題性
月の土地を持つことは、大きな話題にもなります。
友人や家族との会話のネタとして、またパーティーなどでの話題作りにも最適です。
自分の名前が月の地図に記されていることを話すだけで、驚きと関心を引きます。
月を見る機会の増加
自分の土地が月にあると、月を眺める機会が増えます。天文学や宇宙に興味を持つきっかけにもなり、夜空を見る楽しみが増すでしょう。
これにより、自然への関心や宇宙探査の興味が深まることが期待できます。
夢とロマン
月の土地所有は、夢とロマンに満ちています。未来への希望や、自分だけの特別な場所を持つという感覚が得られます。
特に、子供たちにとっては想像力を刺激し、将来の夢を育む素晴らしい贈り物になるでしょう。
詐欺でないと主張する理由
月の土地の販売が 違法な行為とは言えません。
国際法である宇宙条約や月協定により、誰もが月の土地を所有する権利を持たないとされていますが、これらの販売は法的に認められると主張しています。
宇宙条約では、政府や国に対して定められたものであり、企業や個人の権利の主張や利用については規定していません。
つまり、月の土地を販売しているのは一般企業であり、法律上問題はありません。
販売会社は、土地証明書を発行し購入者に提供しています。土地を所有する権利を本気で主張するというより、月の土地を保有しているという話題やロマンに費用をだす、と言ったニュアンスの方が大きいのかもしれません。
月の土地の権利書を所有しているだけで、宇宙のことをもっと好きになれるし、色々な妄想も膨らみます。
月の土地に関する情報
購入方法
月の土地は オンラインで簡単に購入できます。
ルナエンバシー社の公式ウェブサイトから手続きを行い、証明書を受け取るだけです。
手続きはシンプルで、数分間で完了します。
税金や維持費
月の土地には 税金や維持費はかかりません。月の土地は、1エーカー単位で購入することができます。価格は1エーカーあたり2,700円ということです。
日本ではあまり馴染みがない単位ですが、およそサッカーコート1つ分(約4047㎡)に相当します。
ですが、地球外の話なので、固定資産税や相続税などの心配は不要です。
権利者名のほか、権利を取得した日を任意に選べます。
これを自分の誕生日にしたり、結婚記念日などプレゼント用とすることもできます。
月の土地には税金や土地代はかかりません。地球外の話なので、固定資産税や相続税などの心配は不要です。
ルナエンバシー社の売上と購入者数
月の販売をしている「ルナエンバシー社」は アメリカ企業です。
2022年までに11億円を超える売上を上げ、全世界で130万人以上の購入者がいるとされます。そして、日本では 約40万人が月の土地を所有していると言われています。
ルナエンバシー社では、月と同じような方法で 火星や金星の土地も販売しています。今後、月面旅行や宇宙旅行をすることが当たり前になると、地球以外の惑星を拠点とすることも増える可能性があるかもしれないので、この権利書がいつか役に立つ時が来るかもしれません。
また、ルナエンバシーの将来の展望は明確には見えていません。月の土地は 夢やロマンに価値をおく方が強いビジネスであり、将来的に土地の権利を主張できるかどうかは未だ不明です。
こうした理由から、一部では 嘘や詐欺といった噂が出ることもあります。あくまでも 夢を提供する商品であることを理解した上で購入することが大事です。
イーロン・マスク氏の「アルテミス計画」
イーロン・マスク氏の「アルテミス計画」は、NASAとの協力で月面探査を進めるプロジェクトです。
この当初計画では、2024年までに人類を再び月に送り、将来的には 月面基地の建設を目指すとされていました。
「アルテミス計画」の一環として、スペースXは 月への輸送手段を提供し、持続可能な月面探査の基盤を築くことを目指しています。
ルナクルーザーは、トヨタ自動車と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同開発しており、車内が人に適した気圧に保たれているため、宇宙飛行士が宇宙服なしで月面を探査することができます。
日本人宇宙飛行士の月面着陸予定
日本は、2030年までに宇宙飛行士を月面に送る計画を進めています。
先ほどの「アルテミス計画」では、20年代中ごろに月の周囲の軌道上に宇宙ステーション「ゲートウェイ」を建設し、26年以降に有人の月面着陸を目指す計画です。
月面での持続的な探査や、30年代に火星への有人着陸の実現も目標に掲げられています。
この計画は、国際宇宙ステーション(ISS)での経験を活かし、月面探査の技術を高めることを目的としています。
宇宙航空研究開発機構・JAXAも、NASAとの協力を強化し、月面探査に向けた準備を進めています。
日本人宇宙飛行士の候補としては、星出彰彦さんと古川聡さんが挙げられています。星出さんは宇宙飛行3回、古川さんは2回の実績があり、国際宇宙ステーション(ISS)などの宇宙滞在日数は300日を超えています。
日本人宇宙飛行士が月に降り立つことで、月の土地への関心がさらに高まるでしょう。
これからの宇宙ビジネス
宇宙ビジネスは、今後 ますます成長が期待されています。商業宇宙旅行や月面開発、さらには火星探査など、多くのプロジェクトが進行中です。
例えば、スペースXやブルーオリジンなどの企業は、商業宇宙旅行を実現するための技術開発を進めています。
世界の宇宙産業の市場規模予測
モルガン・スタンレーによると、世界の宇宙産業の市場規模は、2040年までに140兆円 規模になると予測されています。※1ドル140円で計算
また、世界のロケット打上げ数は 増加傾向であり、 2022年は過去最大の178回。
月面資源の採掘や宇宙ホテルの建設など、新たなビジネスチャンスも広がっています。
これにより、月の土地の価値もさらに高まるでしょう。
まとめ
月の土地を買うことは、夢とロマンに満ちた素晴らしい経験です。
印象的なプレゼントや話題作りに最適であり、比較的安価で手に入れることができます。
また、将来の宇宙開発に伴い、その価値は ますます高まるとの期待もあるでしょう。興味を持った方は、検討してみてください。
月の土地を所有することで、未来への夢とロマンを手に入れることができます。
価格も比較的手頃で、話題性もあります。
土地の将来性は限られているかもしれませんが、記憶に残る思い出となります。自分用や他人へのちょっとした珍しいプレゼントとして検討してみるのも良いでしょう。